教科書の発行の指示を承諾した発行者は、教科書を各学校まで供給する義務を負います。
しかし、教科書発行者自身が各学校まで確実に教科書を供給することは事実上困難です。
そこで教科書発行者は、この義務を履行するために、次の教科書供給業者と教科書供給契約を結んで、供給を行っています。
都道府県ごとにおおむね1箇所ずつあり、その数は全国で53箇所です(リンク集参照)。
教科書・一般書籍供給会社は、その管内の教科書取扱書店の選定、教科書の需給調整、過不足調整、残本の回収と返送、教科書代金の回収等を行います。
また、一般書籍や教材等の卸売も行います。
教科書取扱書店は、教科書を学校に直接供給する機関であり、通常は一般の書店がこの業務を行っています。
発行者は教科書・一般書籍供給会社や教科書取扱書店へ送本し、教科書取扱書店から学校へ供給されます。(図1参照)
(自らに荷造り発送を行う設備を有しない発行者は教科書の配送や代金回収等の業務の全部(又は一部)を配送業者等に委託しています。)
なお、送本終了後における追加注文の場合は、原則として教科書・一般書籍供給会社を経由して供給される仕組みとなっています。
教科書の迅速確実な供給は学校教育上極めて重要ですので、発行者は調整本、常備本を設けて供給に当たっています。
教科書の需要数は使用年度の前年度の9月に把握されるため、学年当初の必要冊数と合致しない場合があります。
このような場合でも児童生徒の学習に支障がないように迅速に過不足調整を行うため、教科書・一般書籍供給会社(当社)に調整本が保管されています。
学年中途の転入生や災害等に備えるために一定冊数の教科書が教科書・一般書籍会社に常備されています。
教科書発行者において編集された教科書が、検定、採択等の手続を経て児童生徒にされるまでの経緯は、おおむね、図2のとおりです。
文部科学大臣は、無償措置法の定めるところにより、採択された教科書について、発行者と購入契約を締結します(図3参照)。
教科書の購入については、文部科学大臣は発行者に対し、一定の割合で教科書使用年度の前年度に、購入費の一部をあらかじめ支払うことができることとなっています。
発行者は、教科書・一般書籍供給会社、教科書取扱書店等の教科書供給業者に依頼し、作成した教科書を各採択数に応じて全国各地に送付します(②)。
送付された教科書は、通常、教科書取扱書店に保管され、学校に納入するための準備が行われます。
教科書は、国から学校の設置者・校長を通じて無償給付されることとなります(③)。
これらの設置者等は、発行者の供給代行者で教科書取扱書店に対し、教科書の納入について、その冊数、場所、期日等を指示します。
教科書取扱書店は、納入指示に基づき各学校へ教科書を納入します(④)。
納入された教科書は、児童生徒に給与されますが、その際校長は、教科書の無償給与制度の趣旨を児童生徒に十分説明して給与することとされています(⑤)。